名前が汚いから嫌だな

変容する便器の日常をお届け

夏便器のホモに纏わる3本立て小話

【男の売春は犯罪ではない】

ポケモンGOがリリースされた日に新宿二丁目ポケモンを捕まえていたらおっさんに「ホ別ゴム有り3万でどう?」と言われて、私はとてもピュアなフリをして「えっと…ポケモンGOしてるんでわかんないんすけど…」と言った。
おっさんは「え、ここ、そういう街だってしらない?有名なんだけど…」と言われたが別に新宿二丁目は売春(男は18超えてたら挿入行為で金貰おうが犯罪にならない法律はとても不思議だ)が有名なわけではない。

真昼間だろうと、新宿眼科画廊とか花園神社とかゴールデン街とかその辺近くのホテル街で座っていたらよく「幾ら?」と聞かれた。

当時は面白いものに飢えていて(今もだけど)
ホテル街にいると昼間でも普通のOLにしか見えないけど鞄からバラ鞭がはみ出てヒールを履いたお姉さんとか、看護婦の格好をしたままホテルから早足で飛び出してくるおばさんとか、たまらない匂いを醸し出している人が無料で見れるのを良いことに、新宿で予定があるとき早く新宿に着いてよく座っていた。

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【ゲイのクラブ】

ゲイのクラブにクラブデビューの友達と行った時に友達はクラブをコンサートと勘違いしていたのか、キンブレを持って来ていた。キンブレを持ちながら踊っていたがそこそこ盛り上がっていてウケた。

僕は内向的な踊りをするので音にノると決まって「大丈夫?」と聞かれる。大丈夫ですけど、あなたにとっては大丈夫じゃないのでしょう。この楽しさをあなたと共有できない事が本当に切ない。

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【演劇】

ポケモンGOがリリースされる前くらいにちょうど無職になった。フリーターになる前に沢山遊ぼうと思って色々遊んでいた。


7月にホモしかいないキャンプで知り合ったバイセクシャルのお兄さんが演劇の制作をしていてよくよく話を聞いたら自分も知ってるような劇団とか、人と仕事をしていて、そんな事もあるのだなー、と思った。
お兄さんにはキャンプで会ったその日に「馬にしたい」とか「ドックフードを食べさせたい」言われたが、私には根性がないから馬にはなれなかった。

その後も連絡を取り続けて、ポケモンGOがリリースされて数日経った頃に「ポケモンGOただやるくらいなら制作とか手伝ってよ」と言われて手伝う事になった。

この現場にいたもう1人の制作の人が精神に不調をきたしていて、よく休んだり他人の金を使い込みまくってクレジットカード会社にブラックリストに入れられる、などの問題を起こしまくっていた。警察沙汰だ。

小屋入りしてから2日目くらいの時にそのもう1人の人が現場に来た時にヤバイ臭いがした。風呂に入っていない気配がする。あとTシャツが所々茶色く滲んでいた、恐らく血だ。

風呂に入らない+血の渇いた臭いはおそらく戦時中のキャンプでしか嗅ぐことが出来ない気がした。特につっこむ事もできずに香りを味わいながら制作業務をした。この後千秋楽を待たずして、この人は失踪したが、特に騒ぎになっていなかった。東京ってそんなものか。

 

あと千秋楽の朝に舞台の写真を撮った。稽古場に通ったり小屋入りしてからほぼ毎日千秋楽の午前公演まで居たので交通費だけでもかなりのものになったので「ギャラはいらないからせめて交通費はくれ」と伝えて「いいよ」と言われたまま、なかなか支払って貰えなかった。

その後半年くらいしてから交通費は貰いました。