名前が汚いから嫌だな

変容する便器の日常をお届け

よるのふくらみ

【苦手意識】
女の子を性的に消費する会話をするのが苦手だので男の子たちのコミュニティが苦手だ。
ストレートの男達で群れた時にエロい話せずに済む時ってあるのか?ってくらいそういう話をみんなする。ゲイであるのを隠す以前に、大概みんな女性を物として扱って話をする。武勇伝かのように話す人も居たりして、「俺の(心の)ペニスでっけえだろ?」って見せられても想像してるよりずっと小さくて汚いから、せめて風呂に入ってから出直して欲しい。素直に「チンカスにまみれてますよ」と言えたら楽だろうな。

仲の良い女の子が相手だと猥談は平気で、むしろ楽しいのに、不思議だな、と、考えると、自分は男女のセックスをファンタジーとして捉えてるのかもしれない、この世の最大大手ジャンルの事をそんなふうに捉えているから、健全な男女カプ以外地雷の人と上手く話せないのだろうか、うわ、キツ〜、解釈違いだわ、BL読もう。と思って近所の本屋に行っても田舎なのでそもそもそういうコーナーが無かったりする。山積みになった君に届けを横目に見ながら舌打ちをして家に帰った。

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【よるのふくらみ】
窪美澄の『よるのふくらみ』を読んだ。登場人物は生まれてからみんな、自分たちのちんことまんこ、他人のちんこやまんこに翻弄されていて、「ちんこ!」とか「まんこ!」とか心の中で叫んだり、叫べなかったりしながら生きている。
終盤、勃起不全で悩んでいる(悩んでいたのだろうか?)客に対して風俗嬢が「セックスなんかもうええやん。うちもう一生分のちんちん見たし」と言ってから軽やかに眠っていて爽やかな気持ちになった。許しに近い言葉だ。

そして睡眠というものも許しに近い。

クリストファー・ノーランの映画『インソムニア』の中でも、クリスチャン・ベールが病的なほど激ヤセして演技に望んだ『マニシスト』の中でも、睡眠=救いで、確かに現実でも何かに追い詰められている時は眠れなくて、眠りたい眠りたいと強く願いながら救いを待っているような感覚に近い。

自分の事なのに生理現象はコントロール不能で、化け物に近い。上手くやっていくコツを人生を費やして少しずつ少しずつ掴んできて、毎日少しずつ良くなってきている気がする、錯覚かもしれないけど生まれた時より、10年前より、去年より、一ヶ月前より、昨日より、今日の自分の方がマシに思える(錯覚かもしれないけど)

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【愛とsex特集】
ananって『愛とsex』特集以外の特集あるの?って思ってしまうくらい『愛とsex』(DVD)付きを発刊してるイメージがある。

毎回発売すると気になって、立ち読みをするか、知り合いの女の子が買ったのを見せてもらったりしていた。

でも1回だけ、大学生のときにananを買ったことあるのだけど、その時は『愛とsex』特集では無くて、『妊娠出産』特集のときだった。神田うのの臨月ヌードが見たくて買った本を鼻息を荒くしながら興味津々に眺めていると、読者からのQ&Aコーナーで『妊娠すると腹毛が濃くなるって聴きました』とか『妊娠線ってどうやったら消えますか?』とか悩みにまみれていて、やはり物事には良い面ばかりでは無くて具体的に妊娠大変だなって思った。

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(人間は希望と地獄のWエンジンを搭載していて、希望モードの時は天使にだって神にだってなれるのに、ふとバランスが崩れると、この世の終わりみたいな空気を掴んできて地獄へ引きずり落とす陰の部分を持っていて、産まれたばかりの時はそのエンジンのバランスが限りなくフラットに近いのに、どうしてこんなに差が付くのかってくらい差が付きますね、やばい)
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『妊娠出産』特集を読むと、生物学的にはそういう体(身体としての機能は人間の男用)に産まれた以上、妊娠することや、子供を産んで育てることには人並みに興味があるのだな〜!と思えると、なんか少し安心している自分がいる。

たまには当たり前って言葉にあまえたい。


自分が妊娠することは一生訪れないし、自分が女の人を妊娠させることも一生ないと思うけど、やっぱり妊娠や出産への興味が尽きないので定期的にanan読んでしまう、日曜日。